2022年1月、第6代教授に就任しました沖山奈緒子と申します。
当教室は、東京医科歯科大学の設立とともに開設され、大学の歴史と共に歩み、多くの傑出した皮膚科医を輩出してきた教室です。
本学そして本教室では、ヒューマニズムに溢れ的確な診断・治療を行う臨床力と、世界で勝負できる先進的な研究力の両立を目指し、多彩な人材を育んでいます。
皮膚科の魅力はなんといってもその展開が多様である点にあります。
皮膚を舞台に、アレルギー、自己免疫、がん、感染症とすべてのタイプの疾患を網羅していますし、皮膚を窓口に内臓へつながる病態を考察出来る立ち位置にあります。
赤ちゃんからご老人まで、プライマリーケアからレアな難病まで、多くの患者さんの診療を行い、多くの診療科と関わりますので、オープンマインドで柔軟性のある方に向いている診療科でありますし、一方で、そのなかの1点を選んで突き詰めるマニアックさもあります。
皮膚科の診察は視診から始まるため、多くの疾患を「見る」経験値を積むことはとても重要です。
ただ、英単語をいくら覚えても、英語での深い討論は出来ず、片言のままです。
その病変は何が原因でどういう経過を辿り、最終的にこのような「見た目」になっているのか、病態を常に突き詰めて解決していくことの繰り返しで、真に「皮膚科」を操れるようになります。
そして、皮膚は、見て触れて、病理学的・分子生物学的に解析容易な臓器でもあることから、自然に臨床研究をやりたくなり、そしてその原理を知りたくなれば基礎研究へと、興味は伸びていくことでしょう。
当教室では、特に自己免疫、アレルギー、がんといった分野の指導教官を揃え、大学院進学や、国際学会・留学も推進しています。
20代、30代、40代・・・と、様々な出会いや気づきがあり、人生が希望通りに行くことも、思いがけない展開を見せることもあります。
皆さんにとって、皮膚科が真のライフワークになるようにサポートし続けられる教室でありたいと願っております。
多くの皆様の参加をお待ちしていますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
令和4年1月吉日
東京科学大学(旧東京医科歯科大学)皮膚科 主任教授
沖山奈緒子
当講座は、皮膚に表現されるすべての疾患を対象とした教育、診療、研究を担当しています。
卒前教育では、一般医として必要な皮膚の解剖学、生理学、免疫学、薬理学などの基礎知識とそれに基づく皮膚疾患の理解に重点をおき、外来での見学、ベットサイドティーチングを中心とした教育を行う。2014年度12月から「皮膚・アレルギー・膠原病」ブロック講義で皮膚科、アレルギー科のブロック講義を1週間担当している。
卒後教育は、専門医としての皮膚科学の基礎的知識の修得と臨床医としての技術・手技の習熟を行い、「皮膚科学から見る人間学」の研鑽をつむことを目標としている。
皮膚科学の臨床は、皮膚に表現される微細な変化から全身の生体状態を把握し、疾病の早期診断・早期治療を行うことにある。
外来・入院患者を通じて皮膚徴候の検出と理解の訓練、皮膚徴候からの内臓諸器官の機能の推測とその証明、皮膚疾患の原因・誘因の検出方法、外用療法、外科的手技を用いた治療、内科的治療を駆使して疾病の治療を行っている。
皮膚に表現される疾患の全てを対象とする皮膚科学では、その研究対象が多岐にわたる。
当教室では種々の皮膚疾患の病因・病態を免疫学的アプローチにより解明することに努力している。
当教室のこれまでの研究業績を基盤として、免疫アレルギー疾患、腫瘍等の研究を行っている。